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スペシャリストの運用

スペシャリストになるべきだ、スペシャリストになると成功できる、というようなことをよく聞く。しかしスペシャリストを活かすには環境が必要だ。

おそらく小さい会社の場合だと何か一つだけしかできない、かなり尖ったスペシャリストが活躍するのは困難だろう。

目次

スペシャリストの運用と会社規模

スペシャリストを運用しようと思うとある程度余裕というか、仕事を回し続ける仕事量が必要だ。小さい会社だとスペシャリストは仕事が無くなる。

モデラーであればモデルを作ったら、アニメーターならアニメーション作業に入れるようになるまでやることがないのだ。

大きい会社の場合だと複数のプロジェクトがまわっているから仕事を安定して共有し続けることが可能だ。

しかし小さい会社の場合は仕事が安定せずに仕事があるときと無い時の差が激しい。

その点なんでもできるジェネラリストの場合はある仕事なんでもできるので仕事を回し続けることがでいる。人件費というコストを無駄遣いしなくてよいのだ。

無駄使いというかスペシャリストが得意な分野の仕事を回すことができなくて、効率の悪い仕事をさせるしかない。

なので小さい会社であればあるほど総合的にジェネラリストの方が使い勝手が良い。

スペシャリストのコスパ

しかし会社が大きくなってくると仕事は安定する。

スペシャリストはその分野においては当然ながらジェネラリストより仕事効率が良い。

全員が得意分野の仕事をし続けることが出来れば高効率の仕事ができるだろう。

こうなるとジェネラリストよりスペシャリストの方がコスパが良いのだ。

これは会社や社会の基本的なことだ。

新人のスペシャリスト化

スペシャリストをイメージする時に誰にもできない仕事ができるというイメージがあるだろう。

しかし何もそんな大げさな話ではなくても、同じことを繰り返しやっていれば得意になっていく。

同じことをやっていればできるようになるまでが早いのだ。だから新人にとりあえず同じ仕事をやり続けてもらうとその仕事はできるようになるので仕事の任せることが出来るようになる。

使い勝手は悪いが小さなスペシャリストはジェネラリストより育成コストが低いのだ。

そんなのはスペシャリストではないという意見もあるだろうが、何か得意な一つことがあると言う意味ではスペシャリストではないだろうか?

管理のスペシャリストも必要

会社が大きくなってくると部署ごとに分かれて仕事の細分化が進む。役割分担だ。

これは私の実体験だが細分化が進むとどこまでが誰の仕事かよく分からなくなる。というかどっちにも跨いでいる分野だったり分けるのが難しいし、これは私の仕事ではない、って話になりやすい。仕事のできる要領のいい気が利く人がいれば問題ないと思うのだが、そんな状況なかなかないだろう。

なので仕事を割り振り管理するマネジメントのスペシャリストも必要になってくる。

管理がうまく行かないと烏合の衆だ。

アニメ業界だと制作進行系の人がマネジメント業務にあたると思うのだが、制作進行系は業界に入りたての新人が行うことが多い。さらにCGアニメ系だと作画に比べて新しい分野なのでノウハウの蓄積もそんなにない。

そのせいなのか、私がかかわっているプロジェクトがたまたまそうなのか、プロジェクト全体としてはマネジメントがうまくいってないことが多いように感じる。

スペシャリストの運用って難しい

スペシャリストはいいものなんだ!って単純に思っていると活躍できる場所を選ぶので目指す場合や仕事をまかせる場合にはちょっと考えた方がいいかと思う。

一番いいのは全体の流れが分かるようになってからスペシャリストになることだろう。仕事は前後の仕事が分かっているとスムーズで良い仕事ができる。何を求められるかわかるからだ。

あと各専門分野で最高の人たちを集めたからといっていいものができるとは限らない。悪い方向に化学反応を起こすこともある。

プロデューサー目線からすると各分野のすごい人たちを突っ込んでおけば単純にすごいものが出来上がるだろうと思えるだろう。私もそう思う。しかし実際に現場で見た感じからするとどちらも一歩も引かんくなってどちらもやらない、結果時間がなくなって雑な結果になったりどちらかが降りたりなどトラブルが発生する。

スペシャリストは基本的に素晴らしいと思うが、活躍できるように環境整備するのは少し大変だという話でした。

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