会社によるとしか言えないのだが、AIは実際にアニメCGで使われているか? という話。
結論をいうと、私の周りではまだ本格的に活用はされていない。
私個人や特定の新しいもの好きな人の一部が、レイアウトあたりなどで背景モデルが何も設定がないものに対して使ってみたり、テクスチャを作ってみたり程度だ。
それも最終的な映像にはそんなに反映されていものである。ガッツリとは使っていない。
単純に新しいものなので浸透に時間がかかっていくだけというのもあるが、いくつかの広がらない理由を考えてみる。
AIが使われない理由を考えてみる
ワークフローがAI前提じゃない
AIといっても種類がある。
画像生成や動画生成など直接絵を作るものだ。多くの人がイメージするのはこの生成AIだろう。
これはGPTやGeminiなどが有名だが、これらは最終的な絵を直接出力している。
これが細かい調整には現在のワークフローだと不向きなのだ。
時間がかかる仕事は80%のものを100%に近づけていくのに時間がかかる。その100%に近づけていく作業はレイヤーなど素材が分かれている方が効率が良い。
ここら辺がAIで生成したものから、素材分けなどの作業が追加発生するのであれば「現状」は既存のワークフローに乗せた方がよいように思う。
とはいえ、これから改善されていくので時間の問題だとは思う。
あまりクオリティが必要ではないものは生成AIで出してそれだけでも良いと思う。
やはり人
AIに限らず、なんだかんだいって、新しいものはやり方が変わると事情を説明・説得するのが面倒だ。関わる人が多いと倍々式に増えていく。
そのコミュニケーションコストを払ってまでやりたいと現場思わないのだと思う。
徐々に変わっていっている最中ではあると思うのだが、私の周りではまだそんなに進んでないなという印象である。
仕事を受ける側のアニメーターの権力
しかもアニメは仕事を受ける側の(作画の場合は)アニメーターの権力が強い。その影響か業界全体的にアニメ制作の立場が弱いように思う。
昔からやってる人気のアニメーターはわざわざAIなんて新しい技術を覚えなくても、今までの楽しい作業をしていれば仕事くるので現状維持が楽で良いだろう。
アニメの場合は誰でも良い分けじゃなくて、その人に頼みたい、と言った感じの場合が多いのでやはり強い。
誰でもいいものはAIでもいいのだが、アニメは割と仕様がガチガチに昔ながらのワークフローが固められていて変えづらいところもある。(どこも同じようなものではあるが)
そこらへんがまだやり方を検証中で本格的には参入はしにくいのかなと思う。
ネットなど個人で適当にアニメを作って流すのはそれでよいと思うが、ある程度クオリティを上げてようと思うと微調整をしたいので、現状のワークフローにのせたいのだろう。
新しいワークフローを構築するのは検証する必要があるのだが、アニメは意外とアナログ波の人も多いのでなかなか大変そうだ。
情報漏洩の問題
一番問題だと思うのがこれなのだが、現状の生成AI系は、ネット上で生成される。そうなると情報を渡さないとダメなので、情報漏洩を万が一したら大変だ。
会社単位でやっていいとお墨付きを貰えばよいが、組織が大きければ大きいほど責任が大きくなるのでやりにくいだろう。
個人で勝手に使って何かあったら怖いので、どちらかと言えば積極的には使いにくい要因にはなっているだろう。
とは言えローカルで生成AI環境を組むのはなかなか大変だ。組んだとしてもネットで使うほど早くもないし使い勝手も良くないだろう。
アニメーターという仕事は無くなるのか?
AIによってワークフロー自体が変わっている最中なので、なくなる(変化する)仕事も出てくるだろう。最終的にはみんな監督みたいな状態になって、アニメーター自体がいらなくなると思う。
実際にそうなってネット上では様々なアニメがYouTubeにアップされている。
しかし完全にはなくなるとは思っていない。どういったアニメかにも寄るのだが、芸術的な側面もアニメは強いので、その人が描いた映像が見たい、みたいな価値もあるので、ブランドとして残っていくのではないかと思っている。
なんだかんだ、代替えに時間もかかると思うし、クオリティの高いものはAIのみで作ろうと思うと逆にコストがかかるような気もしているので、完全にはなくらないと思っている。
(簡単な新人がやりやすいような仕事は確実に減るとは思っている)

コメント